ビール文学から2人のアランへ
日頃ビールを愛してやまない身としては、ただダレダレと
飲むだけでなく、未だ確立されていないビール文学を 開墾せねばと、虎視眈々、書棚を眺めても 「ビール」が小道具になっている小説は数あれど、 そうではなく銘柄をも活かした作品となると、めったに ぶちあたることはなくて。シュポンとまた寂しく栓を開ける 日々。あぁ君たちよ文学になれと願いながら。 そんななか、久しぶりにみつけたのがこちら。 『朝日のようにさわやかに』恩田陸著 新潮社 630円 さすが、ビール好きで知られる恩田陸です。この本は短編集で するっと余韻を残しながら通り抜けていく作品群の数々。 なかでも一番最後の表題作はビール文学指数100をマーク (って勝手に認定)。スイングトップのグロールシュのボトルで ここまで世界が広がるなんて! 恩田陸の作風のひとつにオマージュの多用があげられるでしょう。 なかでも『夏の名残の薔薇』(現在在庫なし)は、引用量の多さで 印象深い一作でした。 読まれた方はご存知でしょうが、アラン・レネの名画『去年 マリエンバートで』がこれでもかというくらい大胆に ちりばめられています。 『去年マリエンバート』の脚本を書いたのはアンチロマン、 ヌーボーロマンの旗手としてしられるアラン・ロブグリエ。 『嫉妬』ロブグリエ著 新潮社刊 2,100円 ・『消しゴム』『覗く人』に続く第3作目。函入り、昭和34年刊、初版。 彼の訃報が届いたのはつい最近のこと。 偉人の死を悼み、心よりご冥福をお祈りします。 (アラン・レネの『世界の全ての記憶』は本好きなら必見。 DVDで出ていますので是非に。)
by endoushoten
| 2008-02-21 12:40
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