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だれでもはいれる東大案内

大学全入時代到来といえども、凡俗なフツーの人にとって
やっぱり「東大」はちょっと特別な遠い存在ではないでしょうか。

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[写真左]『東大入試で遊ぶ教養 [世界史編]』佐々木哲著
長崎出版 840円
ブログ 佐々木哲学校での人気連載。「模範解答を越える解答」が
求められるなんてやっぱり東大はハイレベル!

[写真右]『コミック版ラクラク合格術 大学へ行こう!
和田秀樹 [完全指導]』小学館 520円
・ただやみくもに勉強せずとも、ある程度の技術で受験を突破しよう
というのがこの本。志望校選びから、モチベーションの保ち方まで
かなり親切です。やる気のない受験生も一読すれば合格を
イメージできるかも。東大攻略も載っています。

『わが子を東大に~』のような本は、入荷するとすぐ売れてしまいます。
東大ブランドを批判する声があったとしても、やっぱり東大は別格
なんだなぁと実感します。

さて、ながいながいまくらの後でここからが本題。

ちょっと前に『芸術の設計―見る/作ることのアプリケーション』
(岡崎 乾二郎著/フィルムアート社 ※当店には現在在庫が
ございません)をかじり読みしていて、ノーテーションに興味をもち、
たまたま見つけた展覧会が

Musica ex Machina ―機械じかけの音楽―

東大の駒場博物館で12月2日まで入場無料で開催中。
誰でもフラリとはいれます。

先日行ってみましたが、これがもう予想以上に面白いことったら!

フルートをアナログ的に(!)自動演奏させる機械の実演が
あったり、デュシャンの「彼女の独身者によって裸にされた花嫁、さえも」
のレプリカ(『大ガラス』東京バージョン)も展示されていたり、
自動作曲サービス(Orpheusおもしろいー 歌も歌ってくれます)
でいろいろ遊べたりと内容もりだくさん。

学究的な目的でなくとも、ごく気軽に楽しめる展示になっています。
個人的にはアタナシウス・キルヒャーの『ピュタゴラス風音楽機械』
のコンピュータシミュレーションを聴けたのが一番の収穫でした。
(さすがに猫ピアノはないか…ってあれは自動機械の範疇に入るの
かしらん)

メカニカルな音楽とうと難しそうな気もしますが、オルゴール
を思い浮かべれば、親しみやすいと思いませんか?
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[写真左]『オルゴールは夢仕掛 目で見るアンティーク・オルゴール』
名村義人著 音楽之友社 840円
・シリンダーオルゴール、ディスクオルゴールにリプロデューシング
ピアノ(自動演奏ピアノ)の詳細な解説がきれいな写真とともに
紹介されています。
[写真右]『不思議の部屋・4 からくり百科』桑原茂夫著
筑摩書房 350円
・オルゴール、自動オルガンなども当然載っています。
 そしてヴォーカンソンの「家鴨」も。

オートマタの歴史を語る上で欠かせないのが
ヴォーカンソンの「家鴨」(水を飲んで排泄までする自動人形)。
今回の展示では「フルート奏者」が紹介されていました。
モデルはルーブル美術館にあるアントワーヌ・コワズヴォーの彫刻
「フルートを吹く牧神」だとか。勉強になります。

さて、ヴォーカンソンと並ぶ重要人物といえば

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[写真左]『人間機械論』ド・ラ・メトリ著 岩波文庫 210円
・「なぜ美しい婦人を見ること、あるいは考えるだけで、不思議な衝動や
 欲望をひき起こさせるものであろうか?その際に或る種の期間の中に
 起こることは、これらの期間の本来の性質からくるものであろうか?
 断じてそうではなく、(以下略)。」 
かなりお値打ち価格だと思いますのでご興味のある方は
実際に本書をご参照ください。

[写真右]『サイバネティックスはいかにして生まれたか』
ノーバート・ウィーナー著 みすず書房 1,400円
・『人間機械論』といえば、ウィーナーも必読です。本書は
 ウィーナーの自伝的回想記。

そんなわけで、経堂からも10分ちょっとで行けますし
お金もかからず楽しめますので、少しでも興味があれば
ぜひぜひおすすめいたします。

(おっと、火曜日はお休みですって。お気をつけくださいまし。)
by endoushoten | 2007-11-19 17:33 | 今日の1冊
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