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書物の行く末

最近ではKindleだとかiPadだとか、いよいよ、ついに、
電子書籍が普及しだすのか、と思わせるようなニュースが
流れていますね。

いろいろな意見があるとは思いますが、まぁそれにしても
なんという量の書物が世の中にあるのでしょう。

そもそも古本屋がこうやって商売できるのも印刷技術の
驚異的な発達があればこそ、です。大量印刷以前以後を
考えれば、電子化なんてさほど大した変化ではないような
気さえします。

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[写真左]『プレ・グーテンベルク時代 製紙・印刷・出版の黎明期』鈴木敏夫著
朝日新聞社 昭和51年刊 1,800円
・活版印刷以前の印刷文化について、西に東に眼を開き
 緻密に調べ上げられています。

[写真右]『印刷革命』E.L.アイゼンステイン著
みすず書房 1987年刊 2,100円
・西洋の中世から近代へ文化がどのようにかわっていったのか…
 印刷術を軸に語られています。こちらも図版がたくさん収録されています。

たしかに電子書籍は古本屋にとっても脅威のひとつでしょう。
しかし。たとえばインキュナブラを所有するようなときめきが
電子書籍にあるでしょうか。

そこまで大げさでなくとも、手のひらにしっとりとした
文化の重みを感じる幸せはなくならないはずです。

 ~Johannes Gensfleisch zur Laden zum Gutenbergの命日によせて~
by endoushoten | 2010-02-03 17:09 | 今日の1冊
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